(株)はてな Rimoで著作権を無視したずさんな運営

「(株)はてな」 は日記、人力検索システム、Webブックマークなどをユーザーに提供するサイトを運営する会社だ。
同社がRimoという動画配信サービスを行うYouTubeのリソースを利用したサービスを開始した。YouTubeと言えば著作権侵害を巡って各国の関係団体から非難を浴びている配信サービスである。話がややこしくなるが要約するとYouTubeにアップロードされている動画をRimoというサービスで視聴するものである。しかしYouTubeには著作権で保護されたTV番組、映画、CMなど無造作にアップロードされてる他、これらを勝手に改竄したものまであり無法地帯と化している。そういった動画へのURLをRimoに貼り付けるだけでRimoのチャンネルで視聴することが出来るうえ、ユーザー同士会話が出来る仕組みになっている。このアイデア自体は素晴らしいのだが、その取り組み方について甚だずさんな運営になっている。

ascii.jpの編集部が、はてな取締役の輿水宏哲(こしみず ひろのり)氏を電話取材している。
http://ascii.jp/elem/000/000/018/18215/

任天堂のWiiにも対応と任天堂の商品名を使い同社のウェブ上でも宣伝しているが、これについては
Q9 事前に任天堂にアナウンスは?
A9 特にしていない。


と、答えている。更にYouTubeへの事前承諾はどうかと言うと

Q10 YouTubeに許可は得ているのか?
A10 YouTubeが公開しているAPIを利用しており、利用規約にも反していないサービスなので特に問題はないと思う。オフィシャルな許可は得ていないが、YouTubeの創業者が来日した際にデモンストレーションを行なったところ、「面白い」と好評を得た。


また、著作権等については、

Q11 YouTubeには著作権を侵害している動画がある。Rimoは著作権侵害を幇助(ほうじょ)するのではないか?
A11 Rimoはあくまで、YouTubeを見るためのビューアーやブラウザーのようなサービス。サービスそれ自体が著作権侵害を幇助するものではないと認識している。

Q12 実際に著作権上問題のある動画が流れた場合の対応は?
A12 YouTubeは著作権者からの通報があった場合、当該の動画を削除するとアナウンスしている。Rimo側でも利用者からの要請があれば、その動画をRimoで表示できなくするよう対応する予定。


なんともお粗末な回答である。Q11は詭弁と責任の丸投げ、Q12は、まず未対応にしておいて制限の少ないほうが人気が出ると睨んでの事だろう。Q11は実際に配信しているのはYouTube側なので責任は無いと言う事か。しかし悪意のあるユーザーが違法性のあるもの倫理上に問題のあるもの等のリンクを貼り付け同社のサービスを経由して受信する以上全く関係ないとは言い切れまい。リンクを貼られたものをリアルタイムで垂れ流しにするのではなく管理者が事前にチェックする運営体制が必要なのでは無いだろうか。
 Q12については、あるユーザーがリンクを貼ったものの後で削除したくても出来ないシステムであり同社のスタッフに対応を求めたところ早急に削除したければ理由を申し出てくれ、そうでなければ削除は見送って欲しい、ユーザーが削除できるシステムについては今後の検討課題にしたいと言われた。というような内容のブログ記事がこちらにあるので参考にしてほしい。

 学生ベンチャーのような若い企業はアイデアと手法が斬新でユーザーの興味やニーズを捉えるのが非常に巧みである。しかし古くさいと思われるかもしれないが、金儲けのためにモラルや倫理を蔑ろにしてまで突き進んで行くのはどうだろう?たとえ喜ぶ人たちが多数を占めても立ち止まって考えるべき事もあるのではないかだろうか。「赤信号みんなで渡れば怖くない」の精神でいくのか「最終的に大金を掴んだ者が勝ち組」とでも思っているのだろうか……。

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